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市長の日記「観るべき『光』を育てる」

1月17日。30年前のこの日、早朝に発生した阪神淡路大震災の様子を、朝一番のTVニュースで見た時の映像は、今もハッキリと記憶に残っています。発災2日後に西宮在住の友人からヘルプコールがあり、2トン車に救援物資を満載して現地入りしてから、延べ20日間ほど救援活動のお手伝いをさせて頂きました。その間の実に様々な経験は、まちの在り方についての問題意識に転じ、やがて小田原市政へと関心を抱くことになる、重要な起点となりました。

 2月中旬まで続く賀詞交歓シーズンが、ようやく3分の1ほど過ぎました。各所での交流は、今後の事業やまちづくりを進めていく上でとても大切な機会となっています。件数が多いので一つひとつのご紹介はできないのですが、一昨日の若鳶会のように、印象的だったところについては少し記録を兼ねて記していくこととします。

 16日は、まず小田原市観光協会の新年賀詞交歓会に参加。以前このブログでも記したと思いますが、外郎藤右衛門会長は観光協会の方針として、特定のイベントなどにより観光客を呼び寄せる「催事誘客」という考え方から、小田原が持っているふんだんな地域資源を通年発信することによる「常時誘客」という考え方にも、力点を置くことを明言されております。至言だと思います。
 私もかねてより、「観光」の言葉の語源通り、小田原が放ちうる「光」を育てる、さらには何が「光」なのかを、当の小田原の人たち、とりわけ「光」を担っている人たちが明確に自覚し、その光を磨いていくことこそ大事であると考えてきました。
 具体的には、自然環境、農林水産業からものづくりに至る産業、家並みや店構えなどのまち並み、小田原に息づく生活文化や祭礼文化、食の魅力、そして最後は「人」そのもの。これまで中心を担ってきた小田原城および総構エリアから、近年は「まち歩き」が主流になる中で中心市街地から浜町・本町・南町、早川、板橋地区へと広がってきましたが、さらには国府津、曽我、桜井、風祭・入生田、そして片浦など、小田原にあまねく存在する多彩な「光」が、観るべきものとして自覚され、発信されていくべきと考えます。

 昨日の神奈川新聞内の文化欄「見聞録」に、観光に関する明治大学飯田教授の一文が掲載されていました。「インバウンドは妙薬か」と題したそのコラムの中に、「逆説的ではあるが、観光業の成長を地域の成長につなげるためには、観光「以外」の基幹産業が必要だ。(中略)地味でSNS映えしない産業振興なしには、観光業の振興もまたあり得ないだろう」とありました。
 小田原市が現在策定を進めている第7次総合計画の基本構想案では、小田原の力として、「自然」「人」「まち」「産業」「文化」を位置づけ、これらを大きく花開かせることを謳っています。その実現と充実の過程で、本市が短期的に経済効果を獲得できる「観光」のさらなる成長がある。私はそのように考えています。今年も、観光協会の皆さんとガッチリ連携しながら、数多くの「光」が充ちた小田原の姿を目指してまいりたいと思います。

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  • 登録日 : 2025/01/20
  • 掲載日 : 2025/01/20
  • 変更日 : 2025/01/20
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