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市長の日記「エイジレス章、杵屋響泉さん、ケアタウン」

19日は、シニア世代に関連した公務が重なりました。
 午前中、内閣府が認定する「エイジレス章」を受賞された穂田芳雄さんに、内閣府担当大臣に代わり私から受章の伝達を行いました。
 エイジレス章とは、エイジレス・ライフ(高齢でも年齢にとらわれず自由で生き生きとした生活を送ること)を実践している人が対象で、広く全国に紹介するにふさわしいと内閣府が認めた個人に贈られるもの。穂田さんは80歳ですが、令和元年にNPO法人おだわらイノシカネットを設立、理事長としてイノシシやシカの獣害撲滅に向けた活動を展開されているほか、獣害駆除技術を次世代へ継承するための人材育成として令和2年より「小田原くくり罠塾」を毎年開催、これまでに多くの受講生を育ててきました。
 元来、農家であり造園業にも精通され、山野での経験もたいへん豊富な穂田さんには、小学校での高木伐採などの地域活動や、新規就農者への各種支援など、県西地域の多くの方々がお世話になってきました。70歳を過ぎてからの獣害対策における活動は本当に尊いもので、まだまだご活躍頂きたいと、私からも敬意を表しつつ激励させていただきました。

 お昼、市内最高齢者である杵屋響泉さんに、お祝いの花束をお届けに伺いました。響泉さんはこの11月に110歳になられました。幼いころからずっと取り組んでこられた長唄と三味線の芸域は、100歳を過ぎても衰えず、近年まで演奏会などにも出演。100歳の記念に開かれた紀尾井町での演奏会には私も伺ったのですが、年齢を全く感じさせない矍鑠(かくしゃく)としたバチさばきで、たいへん感銘を受けたことをよく覚えています。
 この日は、娘さんの六響さん、お孫さんの和久さん、そして多くのお弟子さんたちに囲まれてのお祝いの会で、響泉さんもとても嬉しそうでした。小田原が誇る至宝でもある響泉さん。これからもお元気にお過ごしいただきたいと思います。

 夕刻、ケアタウン推進に関する包括連携協定の締結式が行われました。㈱MIKAWAYA21が取り組んでおられる「まごころサポート」事業等を、同社と、フランチャイズである㈱中村屋および社会福祉法人小田原福祉会、そして小田原市の4者が連携し、高齢者等の生活を見守り支える取り組みを開始するもので、県内はもとより、こうした顔ぶれでの連携協定は全国初となります。
 事業の内容としては、高齢者が日常生活を送る上での困りごとや、見守り等が必要な場合に、登録された有償ボランティア(「コンシェルジュ」)などが対応する体制を作っていくもので、高齢化が進む地域社会を支える人材を掘り起こし、育てていくことにもなります。深刻な人材不足に陥っている地域福祉における有効な取り組みとして、全国各地ですでに動きが始まっています。
 小田原福祉会の時田理事長を介し、MIKAWAYA21の青木社長とお目にかかったのが、10月初旬。青木社長からは、「ケアタウンという理念と活動実績がある小田原でこそ、この事業を展開する価値がある」とのお話を頂きました。その後、各事業者と市担当者が緊密に連携し、極めて短い期間でこの協定締結に至りました。今後の展開を大いに期待しています。

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